誤嚥リスクがある患者の食事介助、経管栄養法は看護師国家試験でも頻出のテーマです。今回は、食事介助の基本と経管栄養法について、押さえておくべき国試ポイントをわかりやすくまとめました!
誤嚥リスクがある患者の食事介助
誤嚥とは
誤嚥とは、食べ物や水分、唾液などが誤って気道に入ってしまう状態を指します。
特に高齢者や脳卒中後の患者では、嚥下反射の低下により誤嚥が起こりやすくなります。
食事介助の基本姿勢・環境整備
- 嚥下販社を誘発する目的で、食前のアイスマッサージや氷舐め訓練は効果的
- 嚥下開始食はゼラチンなど固めたものにする
- 汁物などはむせやすいため、とろみをつける
- 姿勢は、坐位または30度以上頭部を挙上し、頸部は前屈させる
食事介助時の観察ポイント
- 誤嚥を防ぐため、介助の際は食べ物を飲み込んだことを確認してから、次の食べ物を口に入れる
- 食後の呼吸状態を確認(Spo2に変化がないか等)
- 食後は、逆流を防ぐため30分程度半坐位を保つ
- 口腔ケアでは、誤嚥性肺炎予防で口腔内を吸引しながらブラッシングする

国試で問われるポイントまとめ
- 食事介助際の姿勢は? → 座位 or 30度以上挙上+顎軽く引く
- 食事形態は? → ゼラチンなどで固めたものや、とろみをつける
- 食後すぐに臥床してもよい? → NG!最低30分は座位保持
経管栄養法
経管栄養法は、鼻腔・胃瘻・腸瘻からチューブを挿入し、胃や腸に栄養物を挿入する方法です。
栄養投与時の看護ポイント
- 栄養剤の温度は、常温~体温程度にする
- 注入において、無菌操作でなくてもよい
- 消化器症状(特に下痢)があれば、注入速度を遅めたり栄養剤を変更を検討する
- 体位はファーラー位
- 誤嚥性肺炎を防ぐため、経口摂取していない患者にも口腔ケアを実施する
国試で問われるポイントまとめ
- 栄養剤投与の姿勢は? → ファーラー位+食後30〜60分保持
- 口腔ケアは必要?→経口摂取していない患者でも必要

過去問に挑戦!
第96回 午前51問
嚥下障害のある患者の食事の工夫で適切なのはどれか。
- 1. 固い食材は細かく刻む。
- 2. 汁物には増粘剤を加える。
- 3. 冷菜は人肌程度に温める。
- 4. 一口量はティースプーン半分を目安にする。
答え(クリックすると表示されます)
- ②
第105回 午後21問
経鼻経管栄養法の体位で適切なのはどれか。
- 1. Fowler〈ファウラー〉位
- 2. 仰臥位
- 3. 腹臥位
- 4. 側臥位
答え(クリックすると表示されます)
- ①
今回は以上です。
学習の参考になれば幸いです。