「緑内障と白内障って名前が似てて、どっちがどっちか毎回ごっちゃになる…」
そんな看護学生さん、きっと多いはずです。
国家試験でもよく出題されるこの2つの病気、症状や治療、検査内容もまったく違います。
この記事では、国家試験でよく問われるポイントにしぼって、緑内障と白内障の違いをわかりやすく解説します。
緑内障と白内障の違い
違いをざっくり一言で言うと
緑内障=視野が欠けてくる病気(眼圧↑が主な原因)
白内障=視界が白くかすむ病気(水晶体が濁る)
それぞれの疾患について詳しく説明していきます。
緑内障
眼圧の異常な上昇により、視力・視野の障害が起こる疾患
日本における失明原因第1位の疾患
高眼圧で視神経が圧迫され、それが進行すると視神経萎縮がおこる
原発緑内障は閉塞隅角緑内障と開放隅角緑内障に分けられる
【主な症状】
激しい眼痛、頭痛、悪心・嘔吐、視力低下
【治療】
眼圧降下薬、縮瞳薬、手術
白内障
水晶体の混濁により、視力障害を起こす疾患
【主な症状】
羞明、霧視、複視、眼精疲労
【治療】
手術(水晶体の置換)
緑内障と白内障の比較表
比較項目 | 緑内障 | 白内障 |
主な障害部位 | 視神経(視野が欠ける) | 水晶体(視界がかすむ) |
主な原因 | 眼圧の上昇 | 加齢や紫外線などによる濁り |
自覚症状 | 視野が徐々に狭くなる/急性は激しい眼痛 | 視力低下、かすみ、まぶしさ |
痛み | 急性型は強い眼痛あり | 基本的に無痛 |
治療 | 点眼薬、レーザー、手術 | 手術(水晶体の置換) |
視覚の変化 | 「見える範囲」が欠けていく | 「はっきり見えない」状態 |
国家試験で問われやすいポイント
緑内障のポイント
- 閉塞隅角緑内障では散瞳薬(アトロピン硫酸塩水和物)は、眼圧を上昇させるため禁忌です
- 緑内障では、副腎皮質ステロイドは眼圧上昇を引き起こし、症状を増悪させるリスクがあります
白内障でのポイント
- 白内障では、術後1週間は洗顔や洗髪禁止(患眼に水が入らないようにするため)
- 術後は眼圧を上昇させないために、排便コントロールを行う(血圧が上昇するような行為は避ける)
まとめ
緑内障と白内障は、視野が狭くなるのか、視界がかすむのか、という違いを意識すれば覚えやすくなります。
国家試験では「視覚の変化」と「治療法」の違いがよく問われるので、今回紹介したポイントをしっかり押さえておきましょう!
また緑内障に禁忌な薬物は必修問題でも問われるので、そこも押さえておく必要があります。
迷いやすいポイントこそ、確実に得点源にできるチャンスです。