看護師が「人に教えるのは難しい」と痛感したときに得られる気づき

メンタル・人間関係
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看護師として働いていると、「看護師 人に教える 難しい」と感じる瞬間が必ず訪れます。後輩指導、実習指導、新人へのOJT。教える立場になって初めて、自分がいかに感覚だけで動いてきたかに気づかされるのです。

この記事でわかること

  • 「教えるのが難しい」と感じる根本原因
  • 現場ですぐに使える伝え方の工夫
  • 教える経験が自分自身の成長につながる理由

「教えられない」のではなく「教え方」を知らないだけ

多くの看護師は、教えるのが下手なわけではありません。「教え方」を体系的に学ぶ機会自体がなかっただけなのです。

臨床の知識や技術は先輩から見て覚え、体で覚えてきた人がほとんどです。感覚として身についたものを、言葉に変換して他人に渡す作業は、まったく別のスキルになります。

だからこそ、教える立場になった瞬間に「あれ、うまく説明できない」という壁にぶつかります。これは能力不足ではなく、誰もが通る過程だと捉え直すことが最初の一歩です。

教えるのが難しいと感じる3つの原因

原因1:自分の「当たり前」が相手には伝わらない

経験を積むほど、多くの判断が無意識になっていきます。バイタルの微妙な変化や患者の表情の異変を「なんとなく」察知できるのは、経験の蓄積があるからです。

ところが後輩や学生には、その「なんとなく」がまったく伝わりません。自分にとっての常識は、相手にとっての未知だという前提を忘れてしまうと、説明が一気に雑になります。

実際に指導の場面では、手順は説明できても「なぜそうするのか」の理由を省略してしまい、相手が丸暗記に頼ってしまうケースをよく見かけます。

原因2:教える側に「教え方」を教わる機会がない

プリセプターや実習指導を任される看護師の多くは、指導方法を体系的に学ばないまま現場に出ます。厚生労働省の新人看護職員研修ガイドライン改訂版でも、新人を支える指導体制の重要性が示されていますが、指導する側への教育まで手が回っていない職場は少なくありません。

指導者自身が「教え方」を学ばないまま任される構造そのものが、難しさの大きな要因になっています。

原因3:相手の理解度・成長速度を見誤ってしまう

指導していると、つい自分が新人だった頃の基準で相手を評価してしまいがちです。しかし覚えるスピードも、つまずくポイントも人それぞれです。

日本看護協会の「2024年病院看護実態調査」では、新卒看護職員の離職理由として「教育体制への不満」が4.8%挙げられています(日本看護協会 2024年病院看護実態調査)。一方で新卒採用者の離職率自体は2023年度8.8%と、前年度の10.2%から改善傾向にあることも同調査で示されています。

数字だけを見ると小さく感じるかもしれませんが、教える側の関わり方一つで、相手の職場定着に影響しうるという事実は重く受け止める必要があります。

「教える難しさ」を乗り越えるためにできること

解決策1:相手のレベルに合わせて伝え方を変える

同じ説明でも、相手の経験値によって伝わり方はまったく違います。「一つの説明を全員に使い回さない」という意識が、指導のすれ違いを大きく減らします。

  • 説明の前に「今どこまで理解しているか」を一言確認する
  • 手順だけでなく「なぜそうするのか」の理由をセットで伝える

私自身、非常勤で看護学生向けの指導に関わる中で、同じ内容でも相手の理解度に応じて説明の順番を変えるだけで、質問の数も理解のスピードも大きく変わることを何度も実感してきました。

解決策2:「教えることは自分も学ぶこと」と捉え直す

教える経験は、指導される側だけでなく指導する側にとっても学び直しの機会です。当たり前だと思っていた知識を言語化する過程で、自分の理解の甘さに気づくことも珍しくありません。

  • 教えた後に「うまく伝わらなかった部分」を自分でメモしておく
  • 相手からの質問を「説明の改善点を教えてもらえた」と受け止める

この視点を持てるようになってから、指導そのものへの苦手意識が少しずつ和らいでいきました。教える立場は、負担であると同時に、自分の看護観を見つめ直す貴重な機会でもあります。

今日からできる3つの具体アクション

  1. 次に何かを教える前に、相手の理解度をひと言質問してから説明を始める
  2. 手順の説明に「なぜそうするのか」の理由を必ず一文添える
  3. 指導後に「伝わらなかった点」を1つだけメモに残し、次回の説明に活かす

まず1つだけやるなら、①の「理解度を確認してから説明する」を試してみてください。

よくある質問

教えるのが苦手なのは向いていないということですか?

いいえ、そうとは限りません。教えるのが難しいと感じるのは、多くの看護師が経験する自然な過程です。伝え方を工夫する意識を持つだけで、指導のしやすさは大きく変わります。

後輩に厳しく指導しすぎているか不安なときはどうすればいいですか?

一人で抱え込まず、他の指導者や上司に指導の様子を相談してみましょう。第三者の視点が入ることで、自分では気づけない偏りに気づけることがあります。

指導方法を体系的に学ぶ機会はありますか?

院内研修や看護協会の継続教育プログラムなどで、指導者向けの研修が用意されている場合があります。所属先の教育担当や看護部に確認してみるとよいでしょう。

まとめ

  • 「教えるのが難しい」と感じるのは、指導方法を学ぶ機会がなかったことが大きな要因
  • 原因は「当たり前の非共有」「指導者教育の不足」「理解度の見誤り」の3つに整理できる
  • 伝え方を相手に合わせる工夫と、教える経験を自分の学びと捉え直す視点が乗り越える鍵になる

教えることに正解はありません。だからこそ、一つひとつの気づきを積み重ねていくことが、指導する側にとっても大きな財産になります。

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