髄膜炎とは?
髄膜炎は主に、くも膜下腔に生じる感染性炎症反応のことです。
髄膜は硬膜・くも膜下・軟膜で形成されています。(下図参照)
原因は「感染性」と「非感染性」に分かれます。
- 感染性は細菌性やウイルス性は急性髄膜炎となり、1週間以内に進行します。
- 結核性や真菌性は亜急性または慢性髄膜炎となり、2〜6週の経過で徐々に進行します。
重症化すると脊髄や脳実質にも影響を及ぼします。

主な症状と髄膜刺激症状
主な症状
- 発熱
- 頭蓋内圧亢進症状(頭痛・悪心・嘔吐)
- 意識障害やせん妄
- 痙攣
髄膜刺激症状
- 項部硬直
- ケルニッヒ徴候
- ブルジンスキー徴候

小児でみられる特徴的症状
- 痙攣
- 嘔吐
- 易刺激性
- 大泉門の膨隆
検査と診断
髄膜炎の診断には、腰椎穿刺のよる髄液検査を実施します。
細菌性髄膜炎では髄液は混濁がみられます。
細菌性髄膜炎では好中球の増加や発熱が見られます
ウイルス性・結核性・真菌性では、リンパ球優位の細胞数増加がみられます
腰椎穿刺は腰椎クモ膜下腔より針を穿刺し、髄液の一部を採取して疾患の診断を行います。
詳しく知りたい方は、下記に参考リンクを貼っているので見てみてください。

腰椎穿刺(脳脊髄液検査)|脳・神経系の検査 | 看護roo![カンゴルー]
腰椎穿刺は、腰の脊髄腔に針を刺して髄液を採取して、髄膜炎、脳腫瘍、くも膜下出血などの診断をする際に行われます。また、悪性腫瘍の腫瘍マーカーなどの測定や、頭蓋内圧の測定の際も行われます。このコラムでは腰椎穿刺において注意すべきこと、看護の手順...
治療と看護
治療
- 細菌性髄膜炎:抗菌薬の投与
- ウイルス性髄膜炎:抗ウイルス薬の投与
看護のポイント
- 意識レベルの変化を観察
- 頭痛・痙攣・嘔吐への対応
- 刺激を減らすため、部屋の証明は暗くする
- 痙攣時には、それに応じた対応を行う
国家試験での出題ポイント
国家試験では、以下のようなポイントが問われます
- 基本ですが、症状はしっかり把握しておきましょう。
- 乳児の症状として正しいものを選ばせる問題
(大泉門の膨隆と選択肢にある場合は、その小児の年齢をしっかり確認しましょう。大泉門は何歳で閉じるか把握しておきましょう。) - 髄膜刺激症状の名称と徴候の組み合わせ
- 痙攣時の対応については、髄膜炎に関係なく看護技術の一つとして問われることもあります。
- 腰椎穿刺の注意点
今回は以上です。
学習の参考になれば幸いです。