【国試対策】看護学生のための痛風まるわかり!原因・症状・看護ポイントまでやさしく解説

内分泌系
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痛風って、よく『中年男性が足を痛がる病気』ってイメージありませんか?
実は看護師国家試験でも、代謝性疾患の中でしっかり問われるテーマになっています。
尿酸値が高い、関節が痛む、……でも、具体的にどういいた病態か把握していな方もいるのではないでしょうか?
この記事では、看護学生が押さえておくべき“国試に出る”ポイントをやさしく解説します!

痛風(高尿酸血症)ってどんな病気?

高尿酸血症とは、プリン体代謝異常で尿酸の産生過剰や排泄障害で、血中の尿酸濃度が上がった状態のことをいいます。

痛風は高尿酸血症が持続して、飲酒やストレスで誘発され関節に激烈な痛み(痛風発作)を生じることをいいます。
また痛みを伴わない皮下結節尿路結石を生じることもあります。

原因とメカニズム

◆ 尿酸とは?

尿酸は、プリン体という物質が分解されたときにできる老廃物です。
通常は腎臓から尿中に排泄されますが、上記にも記載した通り尿酸の産生が増える or 排泄が障害されると体にたまりやすくなります。

◆ 痛風の原因

  • プリン体の多い食事(肉・レバー・ビールなど)
  • アルコール摂取
  • 腎機能の低下
  • 脱水や過食
  • 激しい運動後 など

◆ なぜ関節が腫れるの?

尿酸が高くなると、体内で結晶化して関節に沈着します。
これが免疫細胞に「異物」として認識されて炎症反応(発赤・腫脹・激痛)を起こします。

症状と診断

◆ 主な症状

  • 急に起こる激しい関節の痛み(急性関節炎、夜間就寝中に起きやすい)
  • 最も症状が起きやすい部位は、 第一中足趾関節部(足の親指のところ)
  • 発赤熱感腫脹を引き起こす
  • 慢性化すると痛風結節、腎障害、尿路結石がおきる

◆ 検査・診断

  • 血液検査:高尿酸血症(7.0mg/dL以上)
  • 関節液の検査で尿酸結晶を確認

治療と看護

◆ 治療の考え方

治療は「予感期・前兆期」と「慢性期」で分かれます。

🔹 予感期・前兆期

  • 使用薬:
    • NSAIDs(インドメタシンなど)
    • コルヒチン

🔹 慢性期

  • 使用薬:
    • アロプリノール・フェブキソスタット(尿酸の合成を抑える)
    • ベンズブロマロン・プロベネシド(尿酸の排泄を促す)

◆ 看護のポイント

  • 有酸素運動の指導(過度な運動は尿酸値上昇・痛風発作の原因になるためNG)
  • 食事指導(プリン体、アルコールを控える)
  • 水分摂取を促す(尿路結石の予防)
  • 内服や通院を自己中断しないよう説明

まとめ

  • 痛風は高尿酸血症が原因で、関節の痛みなどの症状が起こる
  • 高尿酸血症の原因となる物質はプリン体
  • 尿酸値が7.0mg/dl以上で高尿酸血症と診断される
  • 治療は内服薬でコントロール
  • 食事内容の改善と、水分摂取が重要になってくる

今回は以上です。
学習の参考になれば幸いです。


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