
てんかんと聞くとけいれんする疾患というイメージがあります。
具体的にどういった病態なのか知りたいです。

確かにけいれんはてんかんの症状の一つですね。
では、今回はてんかんについて学習していきましょう!
てんかんは、神経疾患の中で国家試験に出やすい重要なテーマの一つです。
覚えるポイントが多く、「てんかん=苦手分野」と感じている学生も多いのではないでしょうか?
本記事では、てんかんの分類・症状・治療・看護ポイントを国家試験に特化してわかりやすく解説します。この記事を読めば、てんかんの問題にも自信をもって対応できるようになります!
てんかんとは?
てんかんとは、大脳皮質神経細胞の過剰興奮によって起こる、けいれん等の発作性症状を繰り返す疾患です。
- 1度だけの発作や、 脳波の異常のみで症状に欠く場合はてんかんと診断されません。
- 神経疾患の中では発症頻度が高く、5〜10人/1000人の割合で発症します。
【原因は?】
大きく2つに別れており、
- 特発性(原因不明)
- 症候性(脳外傷、脳腫瘍、脳卒中、感染など)
があります。

3. てんかんの分類
てんかんの分類はやや複雑ですが、まずは発作が「脳のどこから起こるか」で分けて考えると覚えやすいです。
大きく分けると脳の一部(部分発作)か、脳全体(全般発作)かで分類されます


必ずけいれん症状が起きる訳じゃないんですね

そのとおりです!
単純部分発作のみ意識障害が伴わないことは覚えておくといいでしょう。
検査/治療
検査
脳波検査で特徴的な脳波がみられる
治療
- 薬物療法が主体で、てんかんの種類にあった薬物を投与する
- 難治性のものでは外科的治療を行う場合もある
看護(発作時の観察と対応)
発作時の観察
発作が起きた際、看護師としての観察・対応が非常に重要です。
- 意識レベル
- 発作の持続時間(時計で測定)
- けいれんの部位・左右差
- 呼吸状態(チアノーゼ、いびき様呼吸)
- 眼球偏位の有無
発作時の対応
- 呼吸状態の観察をする(けいれんの重積時は呼吸が障害されるため)
気道を確保しジアゼパムを投与する - ベッド周囲の安全確保(外傷の防止)
- 気道確保や酸素投与
- 舌をかまないようにと口に物を入れたりはNG
ジアゼパム投与により呼吸抑制が起こる場合もあるため、副作用には十分に注意が必要です。
退院後の指導
- 服薬の継続と自己管理の重要性を説明
- 睡眠不足、過度のストレス、アルコールは発作の誘因になる
- 付き添いがない場合の入浴・散歩などの制限
- 危険な場所にはいかない(水辺や高所など)
まとめ
- てんかんは大脳皮質神経細胞の過剰興奮によって、様々な症状が起こる疾患
- 原因には特発性と症候性がある
- てんかん発作は主に部分発作と全般発作に分類される
- 検査は脳波を調べる
- 治療は主に薬物療法
*けいれん発作時の対応自体も国試で問われることがあるので、整理しておきましょう
過去問に挑戦!
第103回追試 午前67問
意識障害を伴わないてんかん発作はどれか。
- 1. 欠神発作
- 2. 強直間代発作
- 3. 単純部分発作
- 4. 複雑部分発作
答え(ここをクリックすると表示されます)
③
第113回 午前85問
てんかんについて正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1. けいれんと同義である。
- 2. 症候性てんかんは脳内病変を伴う。
- 3. 単純部分発作では意識障害を認める。
- 4. 特発性の全般てんかんは高齢者に多い。
- 5. 脳の神経細胞の発作性電気的興奮によって起こる。
答え(ここをクリックすると表示されます)
②・⑤
今回は以上です。
学習の参考になれば幸いです。
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