
ネフローゼ症候群については理解は大丈夫ですか?

腎臓の疾患ですよね。
勉強してますが、具体的におさえておくポイントを
教えてほしいです。

了解です!
では今回はネフローゼ症候群について学習していきましょう!
ネフローゼ症候群とは
糸球体疾患が原因で、尿に大量のタンパク質が排出される疾患です。
血中のタンパク質が減少することにより、浮腫・低タンパク血症・高蛋白尿などの症状が引き起こされます。
原因
大きく2つに別れます。
原発性(一次性)ネフローゼ症候群
- 微小変化型ネフローゼ症候群
- 膜性腎症
続発性(二次性)ネフローゼ症候群
- 糖尿病性腎症
- SLE(全身性エリテマトーデス)
症状
- 浮腫
- 高タンパク尿
- 低タンパク血症
- 感染症
などがあります。
浮腫
アルブミンは、血液中のタンパク質の一種で、血管内の水分を保持する働きがあります。
アルブミン値が低下すると、血管内の水分が血管外に漏れ出やすくなります。
その結果組織内に水分が貯留し、浮腫が生じます。
高タンパク尿・低タンパク血症
上記でも少し説明しましたが、尿に大量のタンパク質が排出されるため、尿中のタンパク質量が増え、血中のタンパク質が減少します。
感染症
タンパク質の中に免疫に重要な免疫グロブリンが含まれており、これが尿中に排泄されることで、感染症にかかりやすくなります。
検査・治療
検査
尿検査・血液検査を実施します。
- 診断基準:尿蛋白1日3.5g以上
血液中のアルブミンの濃度が3.0g/dl以下 - 成人患者の場合は腎生検を実施する
治療
- 安静
- 保温
- 食事療法(塩分制限、低タンパク食)
- 薬物療法(ステロイド薬)
- 感染症防止
安静・保温
腎臓を回復させるためには、腎血流量を増やす必要があります。
そのために安静にすることで、腎臓への血流を維持し、保温により血流を良くします。
食事制限
浮腫の増悪を防ぐために塩分を制限します。
タンパク質も尿素窒素の原因となるので、制限をしますが塩分よりは制限は緩いです。
感染症予防
感染症の原因ついては上記にあげたとおりです。
またステロイド薬により易感染性になるので、予防はとても大事です。
看護
- 浮腫の観察のために、水分量・尿量・体重の記録を行う
- ステロイド薬投与中は、ステロイド薬の副作用の有無を観察する
- 免疫力が下がるため、感染予防行動をとるよう指導する
ステロイド薬の概要・副作用などについてTiktokで解説しています。
良ければ下記リンクから閲覧してみてください!
国試によく出るポイントまとめ
出題ポイントをまとめました。特に検査の数値や、看護については問われやすいのでしっかり整理しておきましょう。
出題ポイント | 内容 |
---|---|
蛋白尿の基準 | 3.5g/日以上 |
アルブミン | 3.0g/dL以下で低アルブミン血症 |
症状 | 浮腫、低タンパク血症 |
原因疾患 | 微小変化型ネフローゼ、SLE、糖尿病 |
治療 | ステロイド、食事制限 |
看護 | 体重測定、感染予防、食事・水分管理 |
今回は以上です。
学習の参考になれば幸いです。