今回は酸・塩基平衡についてお話します。
この場合はアシドーシス?、それともアルカローシス?と混乱している方も多いのでないでしょうか?
この記事で分かりやすく説明していきます。
血中pH
血液中のpHは7.40±0.05に保たれています。
その正常の範囲から
酸性に傾くとアシドーシス
アルカリ性に傾くとアルカローシス
といいます。
酸性かアルカリ性かは、H⁺(水素イオン)の濃度によって決まります。
H⁺が高いほど、pHの数字が低いほど酸性
H⁺が低いほど、pHの数字が高いアルカリ性になります。
やや複雑なので、勘違いしないように注意しましょう。
症状
【アシドーシス】
浅く不規則な呼吸、血圧の低下、ショック、不整脈、頭痛、昏睡など
【アルカローシス】
痙攣、不整脈、しびれ、発汗、意識障害、昏睡など
pHの調節作用
体内が酸性かアルカリ性に傾くと、pHを正常に戻そうとする作用が働きます。(代償作用)
その作用は以下の2つです。
酸性に傾ける
CO2は体内を酸性に傾ける働きを持ちます(H⁺を増やす)
場所は肺で排出量の調節をします。
アルカリ性に傾ける
HCO3‐(重炭酸イオン)は体内をアルカリ性に傾ける働きを持ちます(H⁺を減らす)
場所は腎臓で排出量の調節をします。
上記の2つがバランスよく働き体内のpHが正常に保っています。
pHに影響を及ぼす要因
様々な要因によりpHのバランスが崩れることがあります。
その要因は以下になっています。
過換気症候群
過換気症候群により呼吸機能が亢進します
それによりCO2の排出量が増加(体内のCO2の減少)します
その結果、呼吸性アルカローシスになります
閉塞性肺障害(肺気腫や気管支喘息)
呼吸機能低下により、呼吸状態が悪化します
通常よりCO2の排出量が減少(体内のCO2の増加)します
その結果、呼吸性アシドーシスになります
嘔吐
胃酸の排出で、体内のH⁺(水素イオン)が減少します
その結果、代謝性アルカローシスになります
下痢・腎不全
下痢:腸液の排出により、体内のHCO3‐が減少します
腎不全:電解質調整機能が低下し、体内のH⁺が増加・HCO3‐の産生が低下します
その結果、下痢・腎不全のより代謝性アシドーシスが引き起こされます。
上記を表にまとめるとこのようになります↓

以上になります。
学習の参考になれば幸いです。