
看護学生
統合失調症って、なんか難しそうで覚えづらいんですよね、、、

トクさん
一つずつ整理していけば大丈夫ですよ
では今回は統合失調症について学習していきましょう!
統合失調症は、看護師国家試験でもたびたび出題される精神疾患のひとつです。精神疾患のなかでは最も多く出題されやすい疾患の一つです。この記事では、統合失調症の全体像をつかみ、国試の出題傾向に沿って対策ポイントを整理していきます。
統合失調症とは
考えや気持ち、行動をまとめ統合する能力が長期間にわたって低下し、それにより幻覚や妄想など多岐にわたる症状がみられる疾患です。
病院は不明と言われているが、ドパミンの分泌以上が関与していると考えられています。
病型にもよりますが、発症年齢は15~30歳代が多いです。
主な症状(陽性症状と陰性症状)
思考・知覚・感情・意欲・自我など多くの障害がみられます
統合失調症の症状は、大きく「陽性症状」と「陰性症状」に分類されます。
ここでは特に出やすいものに焦点を当てて解説します。
陽性症状(急性期)
- 思考障害:考え同士の関連が分からなくなり、筋道を立てて考えられない(連合弛緩)
滅裂思考、妄想気分など - 知覚障害:幻聴(自分への悪口が聞こえることが多い)、幻覚(体を虫がはっている)
- 自我障害:作為体験(誰かに操られている)
思考伝播(自分の考えが他人に知られている)

陰性症状(慢性期)
- 意欲障害:意欲の低下
- 感情障害:感情鈍麻
- 自閉的、ひきこもり

治療
統合失調症の治療は、薬物療法が中心です。
状態に合わせて作業療法・レクリエーション療法・社会的技能訓練を行います
薬物療法は抗精神病薬を投与します。
副作用には以下のようなものがあります。
- 錐体外路症状
- 自律神経症状
- 悪性症候群
- 体重増加

看護学生
抗精神病薬の副作用は色々あるんですね。

トクさん
はい、副作用に関しても国試で出ることがあるので、しっかり覚えましょう!
看護
それぞれの段階毎に解説していきます。
急性期
- 患者の発言を否定せず、共感・受容する
- 休息を取れるように介入する
- 薬物療法が中心のため、かえって作業療法などは控える
- 確実に内服が出来るように援助する
- 患者自身が身体の状態に注意をしなくなることが多いため、水分出納バランスや体重など全身状態の観察を行う
- 自傷他害行為に注意する
慢性期
- 治療計画をもとに作業療法・レクリエーションへの参加を促し、生活技術を習得できるよう援助する
- 突然の自傷や自殺企図に注意する
退院時
- 退院後の生活について患者本人や家族、医療従事者らと話し合う。必要であれば精神科デイケアなどの情報も提供する
- 内服の自己管理を出来るよう服薬へのコンプライアンスやアドヒアランスの向上のために介入する
- 症状の観察や服薬支援に繋げるために、精神科訪問看護を導入する場合もある
まとめ
- 考えや気持ち、行動をまとめ統合する能力が長期間にわたって低下し、それに多岐にわたる症状がみられる疾患
- 疾患にはドパミンが関与している
- 症状は主に陽性症状と陰性症状がある
- 治療は薬物療法(抗精神病薬)が中心
- 看護は病状の段階によって変化する
過去問に挑戦
第97回 午前144問
統合失調症の陰性症状はどれか。
- 1. 作為体験
- 2. 感情鈍麻
- 3. 滅裂思考
- 4. 被害妄想
答え(ここをクリックされると表示されます)
- ②
第107回 午後60問
統合失調症の幻覚や妄想に最も関係する神経伝達物質はどれか。
- 1. ドパミン
- 2. セロトニン
- 3. アセチルコリン
- 4. ノルアドレナリン
答え(ここをクリックされると表示されます)
- ①
今回は以上です。
学習の参考になれば幸いです。