
全身性エリテマトーデス(SLE)について理解は大丈夫ですか?

膠原病であることは知ってますが、正直あまり分かってないです、、

確かになかなか見ない疾患ですよね。
では今回は全身性エリテマトーデスについて学習していきましょう!
「SLE=難しい」から卒業しよう!
「名前だけ聞いたことあるけど、何が何だか分からない」
「膠原病=曖昧で覚えにくい…」
そんなあなたへ!この記事では、国家試験に必要なSLEの情報だけを、わかりやすく・コンパクトにまとめました。
この記事を読み終えるころには、「SLEなら大丈夫!」と思えるようになると思います。
この記事を読めばわかること:
・SLEの原因・症状・診断基準
・国試で押さえるチェックポイント
・看護現場で知っておきたい対応のポイント
SLEってどんな病気?
SLE(全身性エリテマトーデス)は、自己免疫疾患の一種です。
ウイルス感染などが誘因となり、自己抗体を産生することで起こる、多臓器障害性の慢性炎症性疾患です。再燃と緩解を繰り返します。
- 10~30歳代の女性に好発する
- SLE患者の死因第一位は、日和見感染症である
- 生命予後に関わる病態で、ループス腎炎・中枢神経ループスがある
- ループス腎炎:
SLEに起因する免疫複合体の沈着による腎障害のこと - 中枢神経ループス:
SLEによって発症する神経症状のこと
SLEの症状
SLEでは多彩な臓器病変がみられます。
全身症状
- 発熱
- 易疲労感
- 全身倦怠感
- 体重減少
関節症状
- 多発性関節炎
- 関節痛(関節変形は稀にしかおこらない)
皮膚症状
- 顔面の蝶形紅斑
- 円盤状皮疹
- 光線過敏症
- 口腔内潰瘍
- 脱毛
その他
- 約30%にレイノー現象がみられる
- 白血球や血小板の減少、抗核抗体(+)
- ループス腎炎では、ネフローゼ症候群が生じることがある
- 中枢神経ループスでは、せん妄などの精神症状やけいれん等の症状がみられる
SLEの治療と看護
ポイントを絞って解説します。
治療
- 副腎皮質ステロイド薬が第一選択である
- 症状が強い場合は、ステロイドパルス療法を行う場合もある
看護
- SLEの増悪因子は過労・ストレス・日光暴露・外傷・感染・妊娠などである
- 日光暴露防止のために、日焼け止めや帽子、日傘など使用して日常的に予防する
- 妊娠は症状が落ち着いている時期であれば可能
しかし妊娠中に再燃した場合はハイリスク妊娠となる - 副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制薬などの服用状況の確認と副作用を説明する
- 免疫力低下による易感染性に注意し、マスクなどの感染予防に努める
国試のポイントまとめ
📌頻出テーマと問われ方(実際の過去問傾向)
- 「SLEで見られる症状はなにか」
- 体重減少、光線過敏症、関節痛など
- 「予後不良となるの状態はどれか」
- ループス腎炎・中枢神経ループス
- 「看護師の指導内容として適切なのは?」
- 日光回避・感染予防・服薬管理など
症状や予後不良のとなる病態、日常生活での注意点などが問われやすいので、整理しておきましょう!
📝 ミニテストで理解度チェック!
Q1. SLEの初発症状として最もよくみられるのはどれ?
- A. 腹痛
- B. 関節痛
- C. 視力低下
- D. 浮腫
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✅ 正解:B. 関節痛
【解説】SLEでは、関節痛・発熱・皮疹が初期にみられることが多く、関節痛は初発症状として最も頻度が高いです。
Q2. SLEの診断で検出される自己抗体として正しいのはどれ?
- A. 抗アセチルコリン受容体抗体
- B. 抗ミトコンドリア抗体
- C. 抗核抗体(ANA)
- D. 抗平滑筋抗体
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✅ 正解:C. 抗核抗体(ANA)
【解説】SLEでは抗核抗体が高頻度で陽性となります。さらに特異性の高い抗ds-DNA抗体や抗Sm抗体も診断に用いられます。
Q3. SLEの治療薬として使用されるものはどれ?
- A. 抗菌薬
- B. 副腎皮質ステロイド
- C. 抗てんかん薬
- D. β遮断薬
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✅ 正解:B. 副腎皮質ステロイド
【解説】SLEの治療には副腎皮質ステロイドが基本となり、重症例では免疫抑制剤や生物学的製剤を併用することもあります。
今回は以上です。
学習の参考になれば幸いです。