この記事を読めばわかること:
・急性白血病の種類と違い
・症状から診断・治療の流れ
・国試で押さえるチェックポイント

白血病は具体的な症状と治療が複雑なので、教えてほしいです。

確かに白血病は複雑ですし、国試でも出やすい疾患の一つですね。
では今回は白血病について学んでいきましょう!
国家試験でよく出る「白血病」。
今回は、看護学生のみなさんが国試に向けてしっかり理解できるように、
「急性白血病」のポイントをわかりやすくまとめました。
急性白血病について
白血病とは「血液のがん」のこと。
急性白血病は、異常な白血球(芽球)が急激に増殖し、正常な血液細胞(赤血球・白血球・血小板)が作れなくなる病気です。そのため多くの場合で汎血球減少になります。
ALLとAMLの違い
急性白血病には2種類あります。
骨髄系の細胞が増殖すれば、骨髄性白血病(ALL)
リンパ系細胞が増殖すれば、リンパ性白血病(AML)
になります。
種類 | 特徴 |
---|---|
急性リンパ性白血病 | 小児に多い(特に2~5歳) |
急性骨髄性白血病 | 成人・高齢者に多い |
小児の急性リンパ性白血病は、比較的予後良好であるが、成人では小児より予後は悪くなります。
症状
芽球ばかりが増えることで、他の血球が減ってしまいます。
血球 | 症状 |
---|---|
赤血球 | 貧血、息切れ、動悸 |
白血球 | 発熱、感染しやすい |
血小板 | 出血傾向 |
その他:胸部叩打痛、骨の自発痛、皮膚浸潤などがあります。
診断・治療
診断
- 血液検査:白血球↑、赤血球↓、血小板↓
- 骨髄穿刺:芽球が20%以上みられる
治療
治療 | 内容 | 特徴 |
---|---|---|
寛解導入療法 | 抗がん剤投与 | 腫瘍崩壊症候群が起きる |
地固め療法 | 寛解導入療法後に実施 同様の強力な化学療法を複数回行う | 検出しきれない白血病細胞を死滅させる |
維持療法 | 白血病細胞の根絶と再発予防のための抗がん剤投与 | 寛解状態を保つ目的の治療 |
骨髄移植 | 通常の化学療法では再発の可能性が高い場合に実施 | |
輸血 | 血球減少に対して実施 | それぞれの血球に応じた輸血を実施 |
看護
ポイントを絞って列挙します。
- 感染や出血、貧血などの症状に注意して観察する
- 維持療法は治療強度は弱い。そのため通常の生活は可能なことを説明する
- 白血球減少症の場合は、加熱した食品など無菌的なものを提供する
国試でよく出るポイントまとめ!
✅ 病態:骨髄性とリンパ性に分かれる
✅ 症状:汎血球減少症の症状(貧血・感染・出血)
✅治療:寛解導入療法→地固め療法→維持療法の流れで治療を行う
✅ 看護:感染・出血・貧血へのケアが重要
📝 ミニテストで理解度チェック!
Q1. 急性白血病の主な症状として適切でないものはどれ?
- A. 発熱
- B. 出血傾向
- C. 貧血
- D. 咳嗽(せき)
答えと解説を見る
✅ 正解:D. 咳嗽(せき)
【解説】急性白血病では、発熱・出血傾向・貧血などが典型的です。咳嗽は特異的ではありません。
Q2. 急性リンパ性白血病(ALL)の好発年齢として最も適切なのは?
- A. 新生児期
- B. 小児期
- C. 思春期
- D. 高齢期
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✅ 正解:B. 小児期
【解説】ALLは小児に多くみられる急性白血病です。AMLは成人に多くみられます。
Q3. 急性白血病の治療として最も基本となるものはどれ?
- A. 手術療法
- B. 放射線療法
- C. 化学療法
- D. 経過観察
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✅ 正解:C. 化学療法
【解説】急性白血病では、寛解導入療法などの化学療法が第一選択となります。
今回は以上です。
学習の参考になれば幸いです。
なお、疾患への理解の基礎となる`血球の分化`についてInstagramで投稿しています。
良ければ御覧ください。↓