アルコール依存症は、日常的に接する機会のある疾患であり、看護師国家試験でも出やすいのテーマの一つです。この記事では、アルコール依存症の看護、症状、治療のポイントについて整理し、国試対策として押さえておきたい内容をわかりやすく解説します。
アルコール依存症とは
慢性的にアルコールを常飲し、依存形成された状態のことをいいます。精神依存だけでなく、身体依存も引き起こします。
飲酒の中止や減量で、離脱症状が現れます。
症状
身体障害
- 肝障害
- 慢性膵炎
- 糖尿病
- ウェルニッケ脳症、コルサコフ症候群
- ウェルニッケ脳症:ビタミンB1欠乏により発症する脳の病気。アルコール依存症の人は食事摂取量が減り低栄養状態の人が多く、ビタミンB1が欠乏しやすいです。
- コルサコフ症候群:ウェルニッケ脳症の後遺症として発症する、記憶力障害や見当識障害の こと。ウェルニッケ脳症は早期治療が大事です。
精神症状
- アルコールを摂取したいという欲望が抑えられない
離脱症状
2日以内に出現する早期離脱症候群と、3~7日程度で出現する後期離脱症候群があります。
- 早期離脱症候群:不安、徘徊、振戦、けいれん、一過性の幻覚症
- 後期離脱症候群:振戦せん妄(重篤なアルコール離脱症状のこと)
治療
- 断酒が原則、教育的入院も行われる
- 断酒会などの集団精神療法を行う
- 離脱症状に対して、抗不安薬などの薬物療法を行う
- 急性期にはビタミンB1を含んだ輸液の実施
- 慢性期には抗酒薬を使用
看護
- 離脱症状を早期に発見し、患者の安全確保に努める
- アルコール依存について、患者自身で自己洞察できるよう支援・指導する
- 家族へもアプローチし、依存症への知識を持ってもらう
- 家族にセルフケアグループへの参加を働きかける
まとめ:国試で押さえるべきポイント
- 症状の把握(特にウェルニッケ脳症や早期離脱症状について理解しておく)
- 断酒が原則であること(少しに飲酒も原則禁止!)
- 本人だけでなく、家族へもアプローチ・支援をする
今回は以上です。
学習の参考になれば幸いです。