血液透析(HD)は、腎不全に対する代表的な治療法で、国家試験にも頻出のテーマです。この記事では、「血液透析って何?」という基本から、「国試に出る注意点・看護のポイント」まで、わかりやすく解説します。
血液透析とは?
血液透析とは、腎臓の働きが低下した患者さんの血液を人工的に濾過して、老廃物や余分な水分を除去したり、電解質のバランスの是正をする治療法です。
通常は週3回・1回4〜5時間程度行われます。
📝国試ポイント!
- 糸球体濾過量(GFR)が、透析導入の指標になります
- 透析導入の原因疾患の第1位が糖尿病性腎症、その次が慢性糸球体腎炎です
人工透析のしくみ

血液透析とはこのように、ダイアライザーと呼ばれる機械に血液を通して、濾過をする方法です。

血液透析では上記のイラストの様に、動脈と静脈をつなぎ合わせた内シャントを作り、透析に使用します。
シャントは作成してすぐ使えるわけではありません。使えるのは約2週間後になります。
シャント使用開始時期が国試に問われることはないと思いますが、参考程度に記載しておきます
血液透析中の注意点【国試に出やすい項目】
- 血液透析の導入期は、不均衡症候群に注意する(頭痛、悪心・嘔吐などの症状)
- 抗凝固薬を使用するので、出血傾向に注意する
- 体内の水分を除去するため、低血圧に注意する
血液透析の看護
観察項目 | 具体的なポイント |
---|---|
シャント部 | 発赤・腫脹・スリルの有無の確認 |
バイタルサイン | 特に血圧の変化に注意 |
体重 | 透析前後での体重差 |
自覚症状 | めまい、吐き気、しびれ、倦怠感など |
【看護】
- シャント側は採血・血圧測定など負荷がかかる行為はNG!
- 食事制限(低食塩、低カリウム、低リン)を徹底する
まとめ|国試に出る!血液透析のキホン3つ
✅ 血液透析は「人工腎臓で血液を濾過する治療」
✅ 合併症として「低血圧・不均衡症候群・出血」に注意
✅ 看護では「シャント管理とバイタル・自覚症状の観察・食事制限」が重要
おまけ|国試ミニ問題(◯✕形式)
Q1. 内シャントがある腕で血圧測定をしてもよい。( )
Q2. 血液透析では水分や電解質の調整ができる。( )
答え(クリックすると表示されます)
- Q1:❌️ Q2:⭕️
今回は以上です。
学習の参考になれば幸いです。