心不全って何?ざっくりイメージ
心不全は「心臓のポンプ機能が低下して、全身にうまく血液を送れない状態」をいいます。
でも、これだけだとピンとこない人も多いですよね。
国家試験では、「左右どちらの心臓がうまく働かないか?」に注目するとスッキリ理解できます!
分類|左心不全と右心不全の違い
種類 | 障害される場所 | 主な症状 | 理由 |
---|---|---|---|
左心不全 | 左心室 | 呼吸困難、起坐呼吸、咳嗽、チアノーゼ | 肺循環にうっ血が著名 |
右心不全 | 右心室 | 浮腫、頸静脈怒張、肝腫大 | 体循環にうっ血が著名 |
*他には肺・体循環両方にうっ血が見られる両心不全もある。
それぞれで見られる症状(図)


検査|国試に出やすい項目
検査 | 意味 |
---|---|
BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド) | 心疾患の重症度を調べる |
心エコー | 心臓の動きや拡張を確認 |
胸部X線 | 肺うっ血や心肥大の確認 |
心電図 | 不整脈や虚血の確認 |
治療
治療の原則は、心負荷の軽減と心拍出量の保持。
一般療法には、安静、水分・食塩の制限、酸素療法があります。
- 肺循環のうっ血であれば、血管拡張薬を、体循環のうっ血では利尿薬を使用する(急性心不全の場合)
- 慢性心不全ではACE阻害薬が用いられる
- ジキタリス使用時は中毒症状が出やすいので注意が必要
主な副作用:悪心、嘔吐、心室期外収縮、房室ブロックなど
看護のポイント|観察・ケア・注意点
- 感染、過労、食塩・水分の過剰制限は避ける
食塩制限は症状の程度によるが、3〜7g/日以下とする - 体位は半坐位や起坐位などをとるように促す(静脈還流を減少させ、呼吸困難の緩和を図る)
- 浮腫の観察
- 毎日同じ条件で体重測定をする
過去問に挑戦
第111回 午後18問
左心不全でみられる症状はどれか。
- 1. 肝腫大
- 2. 下腿浮腫
- 3. 起坐呼吸
- 4. 頸静脈怒張
答え(クリックすると表示されます)
- ③
第100回 午前54問
慢性心不全の患者の急性増悪を疑うのはどれか。
- 1. 体重の減少
- 2. 喘息様症状
- 3. 下肢の熱感
- 4. くも状血管腫
答え(クリックすると表示されます)
- ②
今回は以上です。
学習の参考になれば幸いです。